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トラブルの未然防止のための豆知識

筆界と所有権界の違い

土地の境界には「筆界」と「所有権界」の2つの種類があります。法務局に一筆として公示されている土地とこれに隣接している土地との線を「筆界(公法上の境界)」といいます。「筆界」は、一筆の土地が登記されたときに境が構成されます。明治時代の地租改正事業や区画整理事業・耕地整理事業など国家によって区画された線です。所有者の利用状況などから合意によって設定した線は、「筆界」と区別して「所有権界」といいます。「筆界」と「所有権界」は理論的に区別されていますが、一致している場合がほとんどです。

境界の紛争の解決手段

土地の境界について争いがある場合には「境界確定訴訟」「所有権確認訴訟」など裁判手続きによって、その解決が図られてきました。近年では以下に説明する「筆界特定制度」の創設や、「境界問題相談センター」の設立によりその解決手続きの選択肢が広がっています。

筆界特定制度とは

筆界が明らかでない場合に「土地の筆界の現地における位置を特定する制度(筆界特定制度)」が導入されました。土地の所有権の登記名義人等の申請に基づいて「筆界特定登記官」が筆界を特定します。この制度は「筆界調査委員」という専門家が、これを補助する法務局の職員とともに、土地の実地調査や測量を含む様々な調査を行った上、筆界に関する意見を筆界特定登記官に提出し、筆界特定登記官はその意見を踏まえて筆界を特定します。土地家屋調査士は、筆界調査委員の中心となり、その職務にあたっています。なお、土地の所有権(所有権界)の争いは、筆界特定制度では取り扱うことはできないので注意してください。

裁判を起こさず筆界トラブルを解決

裁判によらない紛争解決方法を広く指して「裁判外紛争解決手続(ADR)」といいます。全国の土地家屋調査士会は土地の境界に関するADR(境界問題相談センター等)を立ち上げました。境界問題相談センターでは、土地家屋調査士会(境界の専門家)と弁護士(法律の専門家)との協働による相談・調停を行い、裁判によることなく迅速かつ当事者のニーズにあった納得できる解決を目指して活動しています。

民間紛争手続代理関係業務

平成17年4月6日第162回国会において、不動産登記法等の一部を改正する法律が成立し、法務大臣から認定を受けた土地家屋調査士に、土地の筆界が明らかでないことを原因とする民事に関する紛争に係る裁判外紛争解決手続(ADR)についての代理・相談業務が認められました。